産後の女性におすすめのエクササイズ
1.妊娠~産後に伴う身体の変化
1)姿勢
胎児の成長とともに、お腹が大きくなることで、そのバランスをとろうと自然と姿勢が変化します。そのため、妊婦には一般的に正常と言われる姿勢が必ずしも最適とは言えません。また、赤ちゃんの抱き方や授乳時の姿勢などの育児に伴う習慣によっても姿勢の崩れが助長されます。これらにより妊娠中から産後は自然とからだを後ろにのけぞるsway-back(スウェイバック)と呼ばれる姿勢になりがちです。
2)骨盤
出産のための準備として、妊娠中にリラキシンというホルモンが分泌されはじめ、骨盤周囲の筋や靭帯が緩みやすくなります。その結果、分娩までに骨盤の恥骨結合と仙腸関節の可動性が増し、骨盤底の面積が拡大するため骨盤底筋群が引き伸ばされます。これらの変化は出産においては重要な役割を果たしますが、産後のからだに与える影響も大きいです。
2.妊娠~産後に伴う身体の変化によって生じやすいトラブル
1)崩れた姿勢による痛み
崩れた姿勢により、負担がかかる部位が集中し、筋肉や筋膜性の痛みが生じやすくなります。
2)骨盤の不安定性による痛み
出産のために緩んだ骨盤周囲が元の形に戻らず、腰痛や恥骨痛、尾骨痛などの痛みが生じやすくなります。
3)尿失禁
出産のために損傷または引き伸ばされた骨盤底筋群の機能低下により、腹圧がかかる場面などで尿失禁が生じやすくなります。
3.産後のからだのケアにおいて重要なこと
産後に妊娠前の体重に近づけようと、体重だけに焦点を絞ったダイエットをする人が多いのですが、産後の時期に応じたストレッチやエクササイズも必要です。それをせずして痛みや尿失禁などの根本的な原因は解決しないため、その後も身体的トラブルが継続しやすくなります。まずは妊娠~産後に伴って変化した姿勢の修正と筋活動の再学習が重要です。
※産後の時期によって推奨される運動が異なるため、運動開始時期に関しては、担当医師の了承の基、実施してください。今回紹介するエクササイズは、産後軽めの運動が許可された多くの女性に推奨されるものですが、個別性もあるため、過剰な痛みや疲労がある場合にはすぐに中止してください。
4.moshe からのご案内
今回紹介させていただいたストレッチとエクササイズは、左右対称的に実施するものですが、赤ちゃんの抱き方などの習慣によって、片側の肩が上がっていたり、捻れていたりする場合がほとんどです。その場合にはより個人的なアドバイスが必要になります。是非モーシェにお越しいただきご相談いただければと存じます。
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